異文化チームでの仕事:より良いチーム形成のための3ステップ

異文化組織、外国人チーム、マネジメント

Most of my important lessons about life have come from recognizing how others from a different culture view things.
We do not think and talk about what we see; we see what we are able to think and talk about.
– Edgar H. Schein (a former professor at the MIT Sloan School of Management)

概要

相手の行動を自分自身の価値観を元に判断していませんか?

 

異文化チームのマネジメントでは、自分の認識の範囲外と相手の認識の範囲外のことをお互いのコミュニケーションを通じて見える化していくことが重要となります。

 

相手の文化を理解するために「質問」を通じ自分の中に異文化の知識と経験をためていき、同時に積極的に自身の文化を言葉と行動で共有していくことで、互いの文化の理解促進と、自組織にとっての最適な組織文化の形成、継続的改善につながります。

 

ここでは、自分が異文化の人と接するときに、自分に見えない相手の行動の背景に気づくためのステップを説明していきます。

相手と自分の考えが異なる場合

相手に依頼したことが思った通りにならなかったことや、望まない行動を相手は良かれと思い行動している場面に遭遇したことはありませんか?

 

異文化においてこれは行動の背景にある「考え」が異なるため、常々発生してしまいます。

 

例えば、「時間」に対する考えの違いです。

 

日本は時間に対し比較的厳しい文化を持ち、会議があれば多くの場合5分前に準備を整え会議時間と同時に開始することがあるべきだと考えられます。
一方フランスは、時間に対しある程度柔軟な文化で、時間にずれがあるのは自然現象だと考えられます。

 

そのため、両者が朝9時からの会議を設定した場合、日本人側は8時55分には到着していて、フランス人側は9時10分に到着するということが多々あります。

 

この様な場面では、日本側は相手に対し仕事への考えが甘いと感じたり、社会人の基礎がなっていないと感じたりすることがあるかもしれません。もしくはビジネスの文化が違うと感じあきらめてしまうこともあるかもしれません。

 

双方が満足した会議、しいてはビジネスの進行のためには「時間」に対する考えを互いに共有することが必要となります。

 

日本では電車が分単位で決められていて日々の計画を立てることが容易です。
しかし、他の国ではそうではなく、電車にそもそも時刻表がない場合や、渋滞が当たり前で時間に差がでるのは生活においての常識かもしれません。

 

ただし、そのような相手の事情や生活の考えを最初から知るのは難しいです。

 

そのため、互いの行動や考えに違いを見つければ、すり合わせていくことが必要になります。

 

本ケースの場合、日本人は以下のような会話を通じて相手の考えや行動を知っていくことから始められます。
  • 日本では会議は時間になったらすぐに始めることが一般的です。そのため今回も5分前に着いていたのですが、あなたの出身地ではどうでしょうか?
  • 今回の遅れた理由を参考までに教えてもらえますか?遅れたことを批判するつもりはなく、今後も時間に差があるようであれば、その差をどうやって解消できるかを一緒に考えませんか。
そして、両者間で一方的な文化に寄せることができないのであれば、独自ルールの形成を図るのも効果的でしょう。

 

例えば、会議の最初の5分は待機時間としておくルールを作成する。10分以上遅れるのであれば電話をする等の決め事をしておくのがいいでしょう。

 

他にも、この時間が決められたモノなのかどうかの考えによって日常のタスクの優先度にも差がでるということです。

 

会議の進め方についてみてみます。

 

日本では会議では事前に決められた議題を話し合い、また結論も事前にすり合わせられていることが多いです。

 

しかしフランスであれば、会議の内容は突然変わり、結論も議論を通して導かれる場合が多いです。

 

こういう場合にも、日本側であればフランス側に対しなぜ今まで検討してきたことを後回しにして他の話をいきなり始めるのかわからないと感じるかもしれません。

 

そのため、話が変わりそうであれば、自分の考えを共有した上で、相手に自分が理解できていない行動の背景を説明してもらうのがよいでしょう。
そのうえで、共通のゴールを見つけることで、相手を理解した上で仕事を進められるようになります。
  • この会議ではXXについて話し合う予定ですので、できればこのまま変更したくないと考えています。まずはこのテーマを終わらせることがタスクを前に進めるために重要だと考えているからです。
  • しかし、他のトピックに移ることの重要性を私が把握できていないだけかもしれませんので、なぜトピックを変えるのか説明していただけませんか。

相手が自分の文化を間違って認識している場合

相手が日本文化を過大解釈してしまっている場合や、ステレオタイプ等で事実と異なる相手の像を作ってしまっている場合にもずれが発生します。

 

過大解釈は、飲みニケーションにおける「上司からの飲みの誘いは絶対に断ってはいけない」といったもの、ステレオタイプは「日本企業は残業して当たり前が文化になっている」等が挙げられます。

 

こういった過大解釈やステレオタイプを解消していくためには、会話を通じて相手の考えを理解し自分の考えを伝えていくしかありません。

 

例えば、日本歴2年のアメリカ人が日本人上司と打ち合わせしている場合のことです。

 

日本では上司に反抗してはいけないとそのアメリカ人が考えている場合に、上司が間違ったことを言っても指摘しない場合があります。
(もちろん日本人でも同じ状況になる場合もありますが。)

 

ビジネスにおいては上司の間違いを指摘しないと損失が発生したり、その間違いを修正するために結局後で自分が残業する必要がある場合があります。

 

これらを防ぐためにも指摘するのはビジネス上全く問題ありません。

 

こういうときは、上司側は会議中や会議後にそのアメリカ人に対し(反論)意見を求めていくこと、そして意見が何も出てこないのであれば、アメリカ企業であれば、こういうときに部下はどういうことをするのが求められるのか?という質問をし、相手が自分の得意な領域で思考や行動ができる土俵を作ってあげることが大切です。

 

またどのようにして反論を伝えればいいかわからないという状況も考えられます。

 

「XXさん、それは間違っている。」と単純に言うと相手を不快にしてしまうので、やわらげた表現方法を教えるのも上司の責任でしょう。

 

それがチームの成果や生産性を高めるのであれば、必要な指導と言えるのではないでしょうか。

 

日本人はアメリカ人が意見を率直に言うしフレンドリーだと思っていることがありますが、日本文化を学ぶことによって、それを日本の行動仕様に対応しようと努力している人もたくさんいます。

 

そういった人たちが本来の成果を出せるように導き、さらには自分が異文化から学べる点を見つけていくとことがグローバルな組織への成長になると思います。

サマリー

相手が自分とは異なる行動をとっていると感じたら、以下3つの対応をとってみましょう。
  1. 自分の行動とその行動をとった背景を説明する。
  2. 相手の行動の理由を聞く。
  3. お互いの行動ですり合わせられる部分がどこかを一緒に検討する。

ここ最近、日本企業で働いていても担当者が外国人ということも珍しくなくなってきました。実際日本では外国人が約128万人も働いていおり、これからも増加が見込まれます。(*1)
日本語が上手な外国人と接すると、無意識の内に日本人と同じ「考え」も持っていると考えてしまいますが、実際にはそうでないことも多々あります。幼少期に培われた自身の文化はそう簡単にはなくならないものです。
(*1 厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (平成 29 年 10 月末現在))

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