グローバルビジネスの行動指針:空気を言語化する

空気を言語化する

What you see and what you hear depends a great deal on where you are standing. It also depends on what sort of person you are.
-C.S. Lewis (The Chronicles of Narnia)

はじめに

本記事は日本型グローバルプロフェッショナルとは?の第三章です。

前回の記事はこちら。

Harmony is to be valued.日本型ビジネスの特徴:和を以て貴しとなす

本記事ではグローバルビジネスにおける一番重要な点1点に絞って説明していきます。

目次:
  • グローバルコミュニケーションで一番重要なこと
  • 空気を読むのではなく、空気を言語化する。

グローバルコミュニケーションで一番重要なこと

グローバルなビジネス環境は国や地域が異なる人と一緒にビジネスをすることを言いますが、それは「相手(個人/組織)の思考や行動が、自分のそれとは異なる」ことを意味しています。
具体的には、日本人にとってアメリカや中国という外国の人とビジネスをする環境のことを言いますが、国や地域が同じでも、思考が異なればグローバルと同じ対応が求められます。
そしてグローバル環境で1番重要なのは、普段何気なく行動していることが異文化の人にとっては、不可解であり、時には不快にさせてしまうことを理解することです。
自分の行動は、常に自身が所属する文化や歴史、所属組織の影響を受けていることを自覚して初めて、相手との差を認識し、改善していくことができます。
ここでは、異文化において自分が意図すること、相手の意図をくみ取ることについて説明していきます。

空気を読むのではなく、空気を言語化する。

もしフランス人のチームと日本人上司と会議をすることになったら日本側はフランス人のスピードと活発性に圧倒され、フランス側は日本の議論への参加度合いの低さに落胆するかもしれません。

 

そして会議中にこのようなことが起きることも:
  • 日本側は前回会議の決定事項を元にプロジェクトの詳細を詰めていく話を始めるが、フランス側はそれを白紙にして再度ブレストを始める。
  • フランス人がプロジェクトへの新しいアイデアに対し日本側に意見を求めるが日本側は何も意見を言わない。
  • 日本人上司は英語を話せないため、会議中の発言はゼロ。説明はすべて部下の自分が対応する。
  • フランス人が日本人上司に対し、英語が話せず価値をだせないのであればこのプロジェクトには不要だと言い始める。
このような場合の改善方法を事前対応・会議中・事後対応の時系列でみていきます。
事前対応
  • フランス人に日本側の会議のやり方を事前に共有する。
    (日本では会議中に意見を活発にかわすということをあまりしない。何かを決めるには事前に少人数で議論し、会議ではその事前決定事項を再確認する場になるのが慣習であることを伝える等。)
会議中対応
  • 決定事項が白紙になったことについて、理由を聞く。
  • 日本では前回の決定事項を覆すには正当な理由が必要であり、次回の意思決定からは「決定」の重みを相互に確認し、決定以後変更はあり得ないを「1」、決定だが変更の可能性が高いを「5」にし、今回の意思決定がどれに当てはまるのかをお互い確認するよう提案する。
会議後対応
①フランス人と会話
  • フランス人の仕事のスピードの速さをほめる。
  • 日本では、個人に対しネガティブな発言をすることは非常に失礼に当たるので、思ったことがあれば上司にではなく自分に会議後に言ってもらうよう依頼する。
  • 会議への活発な参加がフランスでは求められることを理解したが、日本人の上司は英語ができないのは変えられないことであり、彼が重要な意思決定者であることも変えられない。
    なので、今後は日本側からの提案等は上司が話し、その後の議論は私が主担当となるが、その後の意思決定では上司も参加するスタイルをとることを提案する。
②日本人上司と会話
  • フランスの会議文化上活発な参加が強く求められるので、手間をかけることになり申し訳ないが最初の導入等は上司に対応してもらえるよう依頼する。
③全員への対応
  • 会議結果と今後の行動方針を箇条書きにしてメールで連絡する。
ここでのポイントは、当たり前だと思うことが相手にとって当たり前ではないため衝突が起きているということです。

 

【日本】会議は前回決定事項に基づいた報告の場
×
【フランス】議論を活発にして新しいアイデアがあればそれを採択する。

 

そして会議中に何かおかしいと感じたらそれを確認し、私はこういう意図でやるつもりでした、あなたはなぜそういう発言をするのですか、というやり取りをしましょう。
お互い言葉にしていなかった会議に対する考え方や発言の意図を言語化していくことで、つまり空気を読まずに定義することで相互理解が深まり、回数を重ねるごとにこのような衝突を避けられるようになります。

サマリー(日本型グローバルプロフェッショナルとは何か?)

プロフェッショナルとは「顧客視点」で思考、行動し、圧倒的成果をだすために、「コミュニケーション力、ドキュメンテーション力、思考力、マネジメント力」をかねそろえている人のことを言いました。
また日本型プロフェッショナルは、人間関係における「和を以て貴しとなす」を理解し、「上下関係」をうまく利用できる人のことでした。
そしてグローバルプロフェッショナルは、「空気を読むのではなく言語化」し定義することでお互いの理解を常に深めていけるよう行動できる人材のことです。
これらのスキルを組み合わせることで、日本独自の環境でも、グローバルな環境でも、そして日本とグローバル両方が存在する組織においても成果を出せる人材となれます。

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