コンサルのドキュメンテーション(メール編①)

ドキュメンテーション

If you can’t explain something simply, you don’t understand it well enough.
— Albert Einstein

はじめに

上司へのメール、プレゼン資料作成、エクセルでの課題管理、新人の議事録作成。
これらすべてを含めたドキュメンテーションは、「相手にとってわかりやすい資料」を作成する力です。
本記事では上司との会議日程調整というケースをもとに、なぜ相手にとってわかりやすいドキュメントを作成する必要があるのかを見ていきます。
目次:
  1. 情報整理力
    • ゴール設定
    • ゴール達成に必要な要素の特定
  2. ストーリー構成力
    • 伝える順序を並べる
    • 文章を正しく短く簡単に
    • 図解化
【ケース】
経理部担当者の弘田さんは、8月22日(水)13~14時の営業部との定例会議に向けて、打ち合わせの準備をしていました。
ところが本日8月20日(月)になって営業部の担当者より、
取引先の中でも2番目の売上を誇る顧客先から納入済み製品の欠陥のクレームを受けたため、8/22(水)は終日出張になったと連絡を受けました。
営業部の●●部長は生産部門の課長同伴で、製品の欠陥内容の調査を当たるとのことです。
定例会議はそのため再度調整してもらいたいとのことで別の候補日時を連絡されました。
弘田さんは定例会議に経理部の○○部長と出席する予定であったため、○○部長の日程の再調整が必要です。
【弘田さんの作成した文】

件名:営業部●●部長の予定変更

 

本文:
○○部長

お疲れ様です。弘田です。

 

営業部の担当から、連絡を受けたので共有します。

 

8/22(水)に予定していた会議ですが、営業部の●●部長が急遽取引先への訪問のため、参加できないと連絡を受けました。
取引先の具体的な会社名までは聞いておりませんが、No.2とのことで、予定変更は免れそうにありません。
製品の欠陥とのことですので、社内の会議を後回しにするのは仕方がなさそうです。
ということで急な連絡で申し訳ございませんが、8/23の午後と8/24の午前でご都合つきそうでしょうか。

 

あと、本会議にあたり私のほうで準備した資料を添付いたしましたのでご確認をお願いできますでしょうか。
7ページ目の、売上別顧客リストの表が少し見づらいと感じておりますのでアドバイスいただけると幸いです。

宜しくお願いします。

1. 情報整理力

ゴール設定

文章を書き始める前、つまりキーボードを打ち始める前に考えるべきことがあります。それが「ゴール設定」です。

 

ゴール設定では、なぜこの文章を書く必要があり、それを元に相手に何をどうしてもらいたいのかを明らかにします。

 

本ケースの場合は、「定例会議の日程再調整が必要になった」からメールを送るのであり、そのメールを元に、

 

「経理部●●部長に営業部との定例会議の出席可能日時を返信してもらう」ことがゴールとなります。

 

これを達成するという目的を頭に残して本文を記載していくことが必要となります。

 

弘田さんのメール上、「日程の再調整のために相手に返信をもらう」というゴールが文中の「ご都合つきそうでしょうか」に含まれていますが、他の文章の中に紛れ相手に何をしてもらいたいのかが薄れてしまっています。

 

ゴールを明確にすることで、相手に伝えるべき内容と伝える必要のない内容の判断が可能となります。

 

ゴール達成に必要な要素の特定

次に必要なのが、ゴールを達成するためにはどの情報の要素が必要なのか特定することです。ここでは、「必要な要素の特定」を行います。

 

必要な要素が足りていなければ、メールの往復が必要となり、時間がかかりすぎてしまいます。
一方情報が多すぎると、伝えたいメッセージがわからなくなる、もしくは読み手がやる気をなくして無視されてしまうかもしれません。

 

またこの要素の特定をすることで、足りていない情報を見つけることも可能となります。

 

では必要な要素を整理するため、今回のゴール(部長から返信をもらう)に沿って5W2Hで整理してみます。

 

5W2Hを使ったり、他のフレームワークを使ったりするのはロジカルシンキングのパートで説明します。
どういった観点がドキュメントに含まれているべきかという「要素」を網羅的にカバーすることが情報の整理のために必要となります。

 

【5W2H】
What(何のためのメールか)定例会議の日程再調整
Why(なぜ必要か):○○部長に予定が入ったため
Who(誰に対してか):経理部○○部長
When(いつ):候補日時あり
Where(どこで):本ケースでは変更なし(社内会議室)
How(どのように):本ケースでは変更なし(対面での会議)
How Long(どれくらい):本ケースでは変更なし(1時間)

 

この情報を元に、前回のメールを修正してみます。
ここでは、前回の余計な部分を削除します。
件名: 営業部●●部長の予定変更による定例会議の日程再調整

 

本文:

 

○○部長
お疲れ様です。弘田です。

 

営業部の担当から、●●部長が急遽取引先への訪問のため、参加できないと連絡を受けました。
ということで急な連絡で申し訳ございませんが、日程再調整にあたり8/23の午後と8/24の午前でご都合つきそうでしょうか。

 

宜しくお願いします。
※以下は余分な情報なため削除
取引先の具体的な会社名までは聞いておりませんが、No.2とのことで、予定変更は免れそうにありません。
製品の欠陥とのことですので、社内の会議を後回しにするのは仕方がなさそうです。
あと、本会議にあたり私のほうで準備した資料を添付いたしましたのでご確認をお願いできますでしょうか。
7ページ目の、売上別顧客リストの表が少し見づらいと感じておりますのでアドバイスいただけると幸いです。

 

これで、不要な情報が削除され、必要な情報のみに絞られました。

 

また、5W2Hで出して上記で使用されていない要素のWhere、How、How longは文脈に応じて付加していきます。
詳細は別の記事で記載します。

サマリー

ドキュメント作成においては、手を動かす前に以下の2点に取り組むことが必要です。
  1. ゴール設定
  2. ゴール達成に必要な要素の特定
自分起点ではなく、相手にどうしてもらいたいのかを考え、それをするために相手はどの要素が必要かを「相手目線」で特定すること。
これが相手にとってわかりやすいドキュメント作成のスタート地点です。

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