コンサルのコミュニケーションスキル

コンサルタントのコミュニケーション力

Wise men speak because they have something to say; Fools because they have to say something.
– Plato

はじめに

クライアントへのプレゼンテーション、専門家へのインタビュー、部署間のディスカッション。

 

プロフェッショナルに求められるコミュニケーション力は、人と仲良くなる会話術でも、丁寧な言葉づかいでもありません。
求められるのは成果を上げ、顧客からの信頼を獲得する力です。

 

そしてコミュニケーションは、「相手との会話で何を得たいのか」を定義した上で最適な実施方法を検討し、初めて実行に移ります。

 

ここでは、コミュニケーションの前提を説明し、スキルを3つ(伝える力、聞く力、複数の意見をまとめる力)に分けそれぞれのスキルの内容を説明していきます。
目次:
  1. 何のためのコミュニケーションなのか。
  2. 伝える力
  3. 聞く力
  4. 複数の意見をまとめる力

何のためのコミュニケーションなのか。

コンサルタントのコミュニケーションは、以下を定義することから始まります。
  • コミュニケーションがなぜ必要なのか。
  • そのコミュニケーションを通じ、何を得る必要があるのか。
これが定義されていない業務関連のコミュニケーションは、その時点で生産性の低い会話、例えば目標のない無限に続く会議や新しい気づきのないインタビューになってしまう可能性が高いです。

 

コミュニケーションの組み立て
  1. コミュニケーションの目的定義(なぜ)
  2. 目的達成のためのコミュニケーション内容の検討(3つのコミュニケーションスキル)
  3. 実施手段の検討(誰が、いつ、どこで)
企業幹部に時間をとってもらう際に、なぜその会が必要なのか、言い換えると、なぜ相手にあなたとの時間をとってもらう必要があるのかがしっかりと定義されている必要があります。そうでなければ会話の機会さえもらえない場合や、重要性が正しく認識されておらず一部関係者が欠席するということが発生してしまいます。

 

そのため、自分だけでなく、関係する全員にとってそのコミュニケーションがなぜ必要なのか、
言い換えると相手に何をしてもらいたいのか?そしてそれが実現しないと相手にとってどういうメリット/デメリットがあるのかを明確にしておく必要があります。

伝える力

伝える力は、社内での上司への業務報告や、クライアントへのソリューション提案等において必要となる力です。

 

ここで重要なことは、結論から始めること、そしてそれは自分が伝えたいことではなく、相手が知りたいことから始める、です。
  • 伝えたいメッセージと相手に期待する反応を明確にする。
  • 相手目線でそのメッセージを修正する。
例えば自身が説明を担当する顧客との面談に向かっている途中に電車が故障で止まったとします。自分の携帯を見ると電池残量が残り1%。上司に連絡するときにどのように送るのが適切でしょうか。

 

「電車が故障していて遅れます。」でしょうか。それとも、「遅れます。そして携帯の充電が切れそうです。」でしょうか。

 

これらはすべて自分目線で書かれており、
これを受け取った上司は自分の到着を待ってもらうよう顧客と調整すべきなのか、
完全に間に合わないのでリスケすべきなのかがわかりません。
それを確認しようとして返信しても、電池切れで連絡がつかない・・・なんてことも。
こういうことは稀かもしれませんが、ポイントは同じで、まず相手に何をしてもらいたいのかを伝える必要があります。
この場合だと、以下のような形をまずは送れば、相手は代わりに説明をしてくれるでしょう。もしくは15分後というキーワードを元に、議題の順番を変更し対応してくれるかもしれません。

 

「電車が遅延しており代わりに説明お願いします。15分後合流予定です。」

 

ビジネスの場においては、最初に結論/メッセージを持ってこなければ、他の予定が詰まっている聞き手は興味を失い、集中は続かなくなってしまいます。もしくは途中で急用があった時には60分の予定が30分になることも多々あります。
このような状況においても、最初に結論をもってきておくことで対応をすることが、ビジネスコミュニケーションの基本となります。

聞く力

聞く力は、現場社員への業務課題のヒアリングや専門家への業界最新事例のインタビュー等において必要となる力です。

 

例えば相手から自分が持っていない情報を収集する場合において、相手の立場に立った目的設定が重要となります。
  • 自分の目的を明確にする。
  • 相手、全体の動機付けをする。(相手が協力することにメリットを感じてもらう。)
  • 質問と仮の回答を用意しておく。
例えば、クライアント経理業務の改善プロジェクトにおいて、現場社員に以下2通りの伝え方をすると反応(得られる情報)は全く異なるでしょう。
  1. 私たちはXYZ社のコンサルタントです。プロジェクトで経理の業務フローを作成するのでインタビューさせてください。
  2. 経理部の業務負荷を減らす取り組みを行っています。まずは現状業務を把握した上で一緒に検討を進めたくお時間を頂けませんでしょうか。
自分は何のために実施するのか、相手はなぜ出席する必要があるのか、そしてお互いにとってなぜそれが必要なのかを頭の中で整理することが最初のステップになります。
そしてその後に、そのゴールを達成するために、必要な「情報」をあらかじめ埋めて用意しておくことで、相手が何を話せばいいのかの基準を用意することができます。

 

つまり、経理の業務を聞き取る必要がある場合には、あなたの業務はどうなっていますか?という広い質問をするのではなく、

 

一般的な経理業務はこのようなプロセスが一般的ですが、御社ではどうなのか1つずつ確認させてください。まず、日次処理で未払金の処理(全体像の一部分)については・・・・という形で、何を答えればいいのかを明確な形にしておくことで相手の負荷を減らすことができます。

 

特に時間をとるのが難しい相手の場合は、事前にその目的を共有した上で、想定の回答(仮説)をぶつけて質問を修正しながら聞くことで、早く必要な情報にたどり着けます。

複数の意見をまとめる力

複数の意見をまとめる力は、例えば部署を跨いだ業務の打ち合わせやクライアントと協力会社の連携についての会議などで必要となる力です。
シチュエーションとしては新規サービス立案のブレストや、工場建設場所の候補評価、システム導入の価格交渉等、複数の関係者がいる場面で使います。

 

複数の意見をまとめる場面というのは、まずはじめに十分に意見を集める、つまり意見を発散してもらうところから始まり、つぎに集まった意見を評価、深堀る段階に進みます。
またこの評価時に複数の利害関係者がいる場合は、自社の提案や相手の説得等の交渉等を通じて合意に至ることになります。
ここではどんな場面でも共通的に使える、複数の意見がある場合に必ず意識すべきポイントに絞って説明します。
複数意見の対立を抑え効果的な議論に導く方法
  1. 両者の共通の目的を共有する。
  2. 自分のスタンスを伝える。
  3. 相手のスタンスを理解する。
複数の意見、特に利害関係者の意見が対立し合い、さらに出席者が感情的になっている場合、どうやってその場を収拾するのか。

 

ここで一番重要なのは、その話し合いの目的/ゴールが何なのかを出席者全員が共通認識を持つことです。
そのうえで自身のスタンスを明確にし、自分が望むもの、そして必要に応じ望まないものをはっきりと伝えます。

 

シンプルな例を示します。

 

私が友達とごはんを食べに行くときに、とんかつが食べたいと伝えたところ、相手は中華が食べたいと言ってきました。
それで、意見が対立してしまってので、相手に対しなんで中華が食べたいの?と聞きました。
すると相手は辛い物を食べたいということだったので、目の前にあったカレー屋にしようとなりました。
私はカツカレーを食べ、相手は辛口のカレーを食べてお互い満足できました。

 

簡単な例ですが、共通の目的を見つけ、お互いのスタンス(求めるもの)を共有すれば意見をまとめることが可能となります。

サマリ

コミュニケーション力はまず目的を定義することから始めます。
そして実行段階で必要なスキルは3つに分類することができました。
それぞれは、伝える力、聞く力、複数の意見をまとめる力になります。
一言で表すとそれぞれ以下の形となります。
  • 伝える力:自分の意見を相手にわかりやすく伝えられる力
  • 聞く力:人間関係を構築し、必要な情報を集められる力
  • 複数の意見をまとめる力:複数人でアイデアを発散、深化させ、必要な結果を手に入れられる力

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